• 基礎知識

貸す場合と売る場合の比較

2019.08.15
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貸すと売る両方のメリットデメリットを比較してどちらが自分に合っているかを判断することがポイントになります。

同じエリア内の類似物件と比べて割高であれば誰も借りてはくれません。逆に安ければいいのかと言うとそうではなく安くした分、家主の利益が減ってしまいます。

賃貸経営が成功するかどうかは家賃の設定にかかっているので家賃は慎重に決める必要があります。

適正な家賃の決め方はとても難しくどうすればいいのか迷ってしまう人も多いです。

まずは近隣物件の家賃相場を参考にしてください。安く借りたい借り手と高く貸したい家主の双方が納得した金額なのでちょうどいいバランスの金額になっています。

家を貸すかで迷っている場合には賃料相場を見ていくらなら貸せそうか検討してみてください。そうすればおおよその見込み収入が分かり賃貸の判断基準としても活用できます。

エリアによって価格差があるので注意してください。賃料は物件の状態だけではなく周辺の利便性、間取り、面積などにより左右する場合があります。

家を貸す際の注意点

家を貸す際にもメリットとデメリットの両方をしっかりと理解しておいてください。プラスの面ばかりだけではなく当然マイナス面もあるので注意してください。

《メリット》
入居者からの賃料が家主の収入になります。税金や維持管理コストをひいた額が実際の利益なのでどのくらいのランニングコストがかかるのかを収支シミュレーションの段階で試算しておく必要があります。詳しくはお尋ねください。

一度借りてくれれば基本的には二年間の賃貸契約が続くのは魅力的なメリットです。ホテルのように日々新しい顧客を探さなくてよく入居者がいる限りは一定の賃料収入が約束されます。

また、期間を限定しての定期借家以外は更に更新をする事により長期的に安定をした収入を見込むことができます。

事業として家を貸す場合、家そのものに課税される固定資産税や購入時に組んだローンの金利分を経費計上することができます。

また、分譲マンションの場合は管理費、修繕積立金など、その他経費の計上が出来るものもありますので国税庁などのHPの確認をするようにしてください。

確定申告をしなければならないので手間はかかりますが家を所有しているだけの状態と比べると節税効果が高まります。

賃貸をしなくなったあとは所有者である自分が自由に利用できます。売却したあとにやっぱり賃貸にしようと思ってもまた買いなおさなくてはなりません。

売却するということは自分の自由にはできないということです。貸すだけなら家の所有権は残ります。

将来的に自分が住む可能性が少しでもあるならば手元に残して賃貸したほうがいいかもしれません。

《デメリット》
入居者がいなければ収入は入りません。どんなに優れた物件でも借り手が必ず見つかるわけではないので賃料収入が得られない可能性はゼロではありません。

たとえ入居者がいない状態でも維持管理コストがかかります。入居者の有無に関わらず建物の劣化も進んでいきます。

外壁や水道管などの修繕費用も見通しておかなければなりません。また、入居者を募集する間は人が住める状態を維持する必要もあります。

空室だからと言ってそのまま放っておいてはいけません。賃料収入の中から維持管理コストを負担できればいいのですが収入がない状態だと家主の自腹となり空室期間の間に赤字がどんどん膨らんでいくこともあり得ます。

空室が続くとなんらかの入居者対策が求められます。対策のひとつとしては家賃の減額があります。周辺の相場価格よりも安くなれば借り手には魅力的な物件に映ります。

しかし家賃を下げるということは家主の収入が減ることを意味しています。家を貸す段階で考えていた収支シミュレーションが崩れて自分の生活が厳しくなるでしょう。

さらにローンの残債が残っている場合にはもともと設定している毎月の返済額にも満たなくなる可能性もあります。そうなると経済的に困り家を手放さざるを得なくなってしまいます。賃料の安易な下げ過ぎには要注意です。減額するのであれば、慎重に行うべきです。

入居希望者からの問い合わせが入った場合契約の前段階において、仲介を担当する不動産会社が審査を行いますが、内容は借り手の年収や勤務先を自己申告してもらうレベルにとどまります。

つまり実際にどんな人が入居するのかは入居してからでないと分からないのです。常識のある人がほとんどですが、まれに困った人が入居してきます。

たとえば深夜に大きな騒音を発生させたり、粗大ゴミを所定外のところに捨てたりといった近隣住民に迷惑をかける行為が続く場合があります。家賃を滞納される可能性だって捨てきれません。入居中には問題がなくても契約終了時に敷金返還の話がまとまらずトラブルに発展することも考えられます。

どんな人が入居するにしろトラブルが起きうるリスクが完全になくなることはないと理解してください。

これらの問題を解決してもらう為の管理会社の選択が不可欠となりますので慎重に選定してください。また、毎月の管理費も必要となりますので管理を依頼する会社に管理費等を確認するようにしてください。

借地借家法の関係で現在、賃貸借契約締結中の場合に売却をする為に明渡しをする場合は正当な事由が必要になります。

正当な事由とは途中解約になりますので借主にそれなりの違約金の支払をすることで明渡しをしてもらうことになります。

また、賃貸借契約中の状態での売却をする方法もありますが当然ですが、適正な売買価格よりは低くなり収益物件の扱いとなりますので利回りを考えて購入をしますので価格的には厳しくなります。

2011年の東日本大震災のような大災害が再び起きないとも限りません。日本は地震が多い国である以上、どこであっても災害リスクから逃れることはできないでしょう。

耐震性の高い建物を建てておくことが対策となりますが1981年(昭和56年)よりも前に建てられた家の場合、現在の耐震基準を満たしてはいません。

古い建物であればより一層、災害には注意しなければなりません。家が倒壊するほどでなくても何らかの被害を受けたことで賃貸できる状態ではなくなってしまうこともありますし修繕費用が莫大にかかったり解体を余儀なくされることもあります。

災害は避けようがないので家主が取れる対策に限りがあるのが難しいところです。

購入時に組んだ住宅ローンの返済中に家を貸せれば返済の負担が大きく減ります。しかしローンが残っている家の場合は簡単に貸すことはできません。

まずは住宅ローンの条件を確認する必要があります。「家の名義人が住むこと」を条件として住宅ローンが組まれているはずです。家を誰かに貸すとローンを組んだときに金融機関と取り交わした条件に合わなくなってしまいます。

住宅ローンが残っている家を貸したいのであれば金融機関への相談を忘れないでください。どうして金融機関への相談が必要かと言うと住宅ローンは一般的なローンよりも金利が低く設定されているからです。

生きるうえで必要不可欠な家を買うためのお金だからこそ借りやすくなっています。それにも関わらず賃貸をしたのでは金融機関からすれば「話が違う」ということになるのです。

賃貸をするために家を所有するのであれば、賃貸用のローンを組みます。したがって自分が住む家のローンを組んだあとに賃貸をする場合には住宅ローンから賃貸用のローンに借り換える必要があります。

バレないだろうと思って金融機関に秘密で賃貸するのは絶対にやめましょう。残債の一括返済を求められても文句は言えません。金融期間に黙っていれば結果的に大きな損をすることを覚えておいてください。

尚、転勤及びその他の事情により金融機関に相談をして認めてもらえる場合が多くあります。

家を売却する場合

家を貸す以外には売却する選択肢もあります。実際貸すか売却のどちらがいいのか悩む場面は少なくないでしょう。基準が分からないとなかなか結論を出しにくいですがこれから説明するポイントに絞って考えていくとどちらがベストなのか分かると思います。

《メリット》
売却するのであれば通常は購入金額よりも安い金額になりますが数千万円単位のお金が一気に入ります。すぐにまとまった現金収入が必要な人には売却が有効です。

売却で得た現金を残ったローンの返済に回すことができます。この場合はただ売却すればいいというわけではなくローンを返済できる額で売却する必要があります。

家を手放したのにローンの返済だけが残ってしまったら最悪です。できる限り高い価格で売却しローンを一括返済してしまうのが鉄則でしょう。ローンを支払った上で手元に現金が残るくらいの高価格で売ることを目指してください。

尚、自己資金を多めに支払をしている場合は売却の金額で支払は可能となりますがほぼ100%の借入れの場合は自己資金から支払をするようになりますので住宅ローンの残債がいくらあるのかを確認して売却値を算出するようにしてください。

そのためにも不動産会社選びがとても重要です。売却の仲介を担当する不動産会社によって販売価格が異なるからです。なるべく高い価格で売却したいのであれば最低3社以上には査定を依頼するようにしましょう。その中から良さそうな不動産会社を見つけていきます。

建物は定期的にメンテナンスをする必要があります。たとえ入居者がいない状態であっても劣化が進むためどうしてもランニングコストがかかってしまいます。

税金も同様です。売ってしまえば家はなくなるので修繕コストも税金もかかりません。将来にかかる支出と手間が家と一緒に消えてなくなります。

なんらかの理由で別の家に買い替えたいときも今の家を現金化して新たな家の資金に充てることができます。

新しい家の購入額には満たずにローンを組むとしても貯金がなくなることに対するリスクヘッジになります。売却金額のぶんだけ借入額の負担が軽減されます。

《デメリット》
家を売ってしまえば手元にはなくなります。売却価格の現金が残るのみです。経済状態がインフレ(現金の価値が下がる状態)の場合不動産を持っている方が得をすることになります。単純に現金が欲しいのであれば別ですが不動産の現金化によって損をする可能性があることは頭に入れておきましょう。

家を貸していた場合には入ってきた家賃収入がなくなります。売却額との兼ね合いで貸し続けるのと売ってしまうのとでは最終的にどちらが得かを計算してみるとよいでしょう。多少損をしてもいいから売却してとりあえず、すぐにでも現金化したいという考え方もあります。

売りに出しても売れないこともあります。そんなときは売却額を下げたり業者買取を検討したりします。価格よりも、とにかく売却できることを最優先にするならば、買い手が有利な条件に変更するため、あなたが得る利益は減ります。

不動産会社に支払う仲介手数料、登記費用、印紙税などがかかります。結果として売却益が減ることになるので売却時に出ていくお金も考慮しなければなりません。

また、売主になった場合には瑕疵担保責任がついてきます。売主、買主双方で協議の上、瑕疵担保責任を免除するような契約もありますが大半は責任はありますので取引終了後に躯体及び設備等の修繕費用の負担がある場合もあります。

多額の現金がすぐに必要あるいは家を手放したい希望や事情があるならば売却するしかありません。

一方で家を手放したくないのであれば賃貸で賃料収入を得て経済的なメリットを受けるといいでしょう。家を貸すか売るのかの判断は「家をすぐに現金化したいかどうか」という点です。自分の事情に合わせてどちらかを選択するようにしてください。