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マイホームを買ったばかりで親の介護でお引越し・・・賢い対処法は?

2020.01.05
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突然やってくる、親の介護

日本人の平均寿命は年々伸びており、2018年時点で女性が87.32歳、男性が81.25歳と過去最高を更新しました。一方、自立した生活ができる年齢を指す「健康寿命」を見てみると、2016年時点で女性が74.79歳、男性が72.14歳となっています。単純に、多くの方が亡くなるまでの10年程度、何かしらの医療・介護を受ける可能性が高いということになります。

「健康寿命」が終わる70代前半~半ばの高齢者の子ども世代はと言うと、40代前半~50代。その年代で親の介護という問題に直面することになるわけです。親の介護が始まると考えなければいけないのが、在宅で介護するのか、介護施設へ入所させるのかという問題。施設への入所は金銭的な負担が大きいことや、住みなれた自宅で生活したいという本人の希望などにより、在宅で介護する方が多いようです。

在宅介護の中でも、同居して介護をするため一時的に実家へ引っ越しするという選択を取る方も少なくありません。しかしその際、マイホームをどうするのかという新たな問題が発生します。賃貸住宅に住んでいる場合はそこを引き払い、介護が終わったら新しく住む場所を探すか、そのまま実家に住むこともできますが、マイホームをお持ちの場合は、何年後に戻ってくるか分からないため、悩む方も多いでしょう。特に、マイホームを購入したばかりでまだ住宅ローンが残っているという方は、そもそも引っ越しすることは可能なのでしょうか。

マイホームを買ったばかりで、引っ越しすることはできる?

マイホームを購入する際、ほとんどの方は住宅ローンを借りることかと思います。実は、住宅ローンには「自己住居用」という重要な条件があります。そのため、勝手に引っ越しを行い住居を移してしまうと、ローンの一括返済を求められる可能性もあるのです。もちろん、親の介護のための引っ越しというのは誰にでも起こりうることですから、きちんと相談をすれば引越しは認められますので、安心してください。

引っ越しの問題はクリアできたところで次に考えなければならないのが、不在の間マイホームの管理をどうするのかという問題です。もし、介護を機に今後も実家に住み続けるという場合には、売却してしまうというのもひとつの選択肢としてあります。ただ、住宅ローンの残債が大きく、売却代金では返済できないこともありますし、せっかく手に入れたマイホームを手放したくないという方は多いものです。

最近は空き家の管理を代行してくれる企業やNPO法人などもあります。「介護が終わったらまたマイホームに戻りたいが、実家が遠方で定期的に手入れをしに来ることができない」という場合には、利用してみるのもいいかもしれません。しかし、代行サービスを利用するには料金がかかります。介護費用や住宅ローンに加えて代行サービスの費用もかかるとなると、家計への負担も大きいのではないでしょうか。

とは言え、何もせず放置することだけはやめるようにしましょう。人が住んでいない家というのは、劣化のスピードが通常よりも早くなります。そうなると資産価値も下がってしまいますし、リフォームをしなければ住めない状態になってしまう恐れがでます。また、空き家であることがばれてしまうと犯罪のターゲットにされてしまう可能性も高いですし、生い茂った雑草のせいで害虫が大量発生し、近隣の住人に迷惑をかけてしまうかもしれません。

おすすめはリロケーション!普通の賃貸との違いは?

そこでおすすめなのが、家を人に貸し出す(リロケーション)ことです。誰かに住んでもらうことで家の劣化を防ぐことができますし、家賃収入を得ることもできるので一石二鳥です。

しかしここで注意したいのが、介護はいつ終わるのか分からないということです。平均的には10年程度と言われていますが、同居開始から20年以上を迎える、反対に、病状などによっては同居開始から数ヶ月で亡くなってしまわれる可能性もあります。

親にはなるべく長生きしてほしいというのが子どもとしての願いではありますが、残念ながら数ヶ月~数年程度でマイホームに戻って来ることになった場合でも、契約によっては、貸し出した家から入居者を追い出すことができない場合もあるので注意が必要です。

一般的に、家を貸すときに結ぶ契約は「普通借家契約」です。この契約では入居者の権利が強く保護されるので、正当な事由がない限り、入居者を追い出すことはできません。ちなみに、「介護が終わったからマイホームに戻りたい」という主張は、正当な事由としては認められないことがほとんどです。

そこでおすすめなのが「定期借家契約」です。定期借家契約は期間の定めがあり更新がないため、契約が満了したら入居者に退去してもらうことができるので、スムーズにマイホームへ戻ることができます。このような家の貸し方を「リロケーション」と呼びます。一定期間だけマイホームを人に貸してみたいという方はぜひ、相談してみてください。