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急な転勤が家族のうつの引き金に・・・その解決策とは?
2021.05.28![](https://relocation7771.com/wp/wp-content/uploads/2020/01/59882d187535572feaadcdfd2f8392d3_m-e1579142461168.jpg)
転勤によって住み慣れた環境を離れることに、抵抗を感じる人もいるでしょう。一緒に引越した家族のなかには、さまざまな要因から体調不良を訴えるケースもあるようです。この記事では、急な転勤によってうつ病になった場合の対処法を紹介します。転勤前の事前知識としても、この記事を参考にしてください。
転勤したら家族がうつ病になっていた!何が原因なの?
転勤後、家族の体調が優れないようだと感じている人もいるのではないでしょうか。体調不良が続く場合は、環境の変化によるうつ病のサインかもしれません。
転勤後うつ病になってしまう原因として、「孤独感や寂しさ」、「新生活に対するストレス」、「子育て」、「将来への不安」、「仕事」が挙げられます。
「孤独感、寂しさ」は、新しい場所に引越すことで友達・親族に会えないことや、新しい人間関係が築けないことへのストレスなどが原因です。
「新生活に対するストレス」は、引越したばかりの頃は特に、新しい環境に慣れてないことへのストレスなどが考えられます。
「子育て」は、とくに小さな子どもがいる場合などの、1人で育児することのストレスなどがあるでしょう。未就学児は適した環境を選ばなければならないプレッシャーなどがあり、大きなストレスを感じやすい傾向にあります。
「将来への不安」は、「いつまで転勤が続くのか?」や「家はどうする?」といった、先行きに対するストレスなどに起因します。
「仕事」に対しては、「仕事を長く続けにくい」、「転勤が発生するごとに、仕事を辞めなければいけない」、「引越しが多く、正社員で安定して働くのが難しい」という悩みを抱える方も多いようです。
では、これらの原因を知った上で、家族がうつ病になってしまった際のサポートなどについて紹介します。
②病院はどうするの?治療期間はどれくらい?
家族の体調不良が増えたり、食欲がなさそうだったり、無気力でボーっとしていることが増えたり、会話のトーンが暗かったりなど、様子が徐々に変わってきたと思ったら、早めに病院で受診するよう勧めてみましょう。症状が明らかに酷くなる前に受診を勧めることが大切です。また、できる限り診療に同行するよう心がけてください。
精神科や心療内科などを受診し、現在の症状の内容、症状の程度、どれくらいの頻度で症状が発生するかに加えて、現在の生活状況及び転勤前後の状況や行動を医師に話し、症状の度合いを把握してもらいましょう。そして、うつ病の診断を受けた場合、治療を行っていく形となります。
治療は抗うつ薬・睡眠導入剤・向精神薬などを使用した投薬治療、休養による治療、認知行動療法(ネガティブな思考を改善し、柔軟な思考ができるようになるための治療法)などを用いた精神療法を組み合わせて行うようです。どの治療が中心になるか、また通院の頻度などは症状の度合いや病院の方針によって異なります。
また、治療期間も症状の度合いによって異なり、症状の度合いが重いほど寛解するまでの時間を要します。しかし、うつ症状の重さとは関係なく、うつ病が快方に向かい寛解するまでは、短くても半年~1年前後ほど要し、数年かかることも珍しくありません。うつ病は早く治療しようとすると逆に症状が悪化しやすいため、時間をかけてもよいので本人のペースで治療し、サポートすることを心がけましょう。
家族の療養中はどうしたらよいの?
家族がうつ病と診断された場合、快方に向かうためにはどのようにサポートするとよいのでしょうか。
うつ病は過度なストレスによって気力や思考が落ちている状態のため、少しずつ思考をプラスの方向に向けていくことが重要です。プラスの方向に向けるのに有効なのは、「気持ちを書き出してみる」、「考え方の視点を変えてみる」、「楽しくなることを考える」、「生活習慣を整える」、「居場所を作る」の5つが挙げられます。これらを本人が療養中に実践できるよう、家族がサポートすることが重要です。
「気持ちを書き出してみる」については、落ち込んだりイライラしたりしている状態を改善するために、一度気持ちを整理して見つめ直し、現在の気持ちをメモ帳などに書き出してみましょう。内容を細かく書く必要はなく、感じていることをそのまま書き出すことが重要です。具体的には、されたら嫌だと感じることや転勤する前後の気持ち、どのようなことでストレスを感じるかなどを書いてみるとよいとされています。言語化することで、どのような気持ちなのか気づけるでしょう。また、文字に起こしてもらうことで、この気持ちをどのように切り替えたらよいかを一緒に考えることが大切です。
「考え方の視点を変えてみる」は、どのようなことをすれば自信を持てるかを考えて、実践することです。マイナスの考え方をいきなり変えることは難しいですが、今日あったよいことや嬉しかったこと、やれたことを1つでも書き出してみましょう。継続して実践すると考え方の視点が変わって、「今日はこれができた。このできごとを嬉しいと感じたんだ。」と自分の過ごし方を振り返られるでしょう。
「楽しくなることを考える」もおすすめの方法です。いきなり実践してもらうのは難しいため、「考え方の視点を変える」をある程度できるようになったら、サポートしてあげるとよいでしょう。具体的に何をしなければいけないということはありません。本人がやってみて楽しいと感じるもの、充実感が湧くもの、興味があるものを知って、サポートするとよいでしょう。
「生活習慣を整える」は、体も心も健康的な生活を送る上で重要なことです。普段の生活では、定期的な運動や栄養バランスのよい食事、充分な睡眠を心がけられるようサポートしましょう。ずっと室内にいると気分が落ちることも多く、睡眠不足や食事量及び食事内容が不充分な場合、生活習慣が乱れて、うつ症状を悪化させてしまう可能性があります。
「居場所を作る」は転勤先の近隣だけでなく、家族・地元の友達などで悩みや気持ちを話せる人がいるかを改めて考えてみることが重要です。また、現在は転勤が多い人を支援する団体や転勤が多い家庭の人とつながれるイベント、サークルもあるため、探して一緒に利用してみるとよいでしょう。他者とのつながりや会話量が増えることで、家族の心が前向きになりやすい傾向にあるようです。
家族がうつにならないために心がけること
うつになると回復までに時間がかかるだけでなく、うつになった本人と家族もつらい時間を過ごすことになります。そのため、できるだけ家族が転勤をきっかけにしてうつを患わないようにすることが大切です。
地方への転勤が決まった場合、家族にはできるだけ運転に慣れてもらいましょう。都市部では交通網が発達しているため車がなくても充分生活できますが、地方に移住すると車がなくては買い物にも行けないことが少なくありません。また、車があれば行動範囲が広がって新たな習い事を始めたり、サークルに参加したりといったコニュニティーを広げる活動も気軽に始められます。行動範囲が狭まることによる精神的な閉塞感は大きいものです。ペーパードライバーの方のための講習を教習所で行っているため、家族が運転に自信がない場合は利用をおすすめします。
仕事が忙しいからといって、家のことを家族に丸投げするのは禁物です。責任感の強い方ほど頑張りすぎる傾向があるため、気づかないうちに症状が進行してしまう危険があります。家事には完璧を求めず、育児は共に行う姿勢を保ちましょう。仕事が忙しく家のことに時間が割けない場合は、転勤先で利用できる家事の外注や託児サービスを探しておくのも安心につながります。
また、家族の愚痴や悩みを聞くことも大切です。休日などを利用し、できるだけ家族と会話する時間を作りましょう。日ごろから「疲れた」「大変だ」と気軽に言えると、心労のため込みを防ぐことができます。なにより一番近くの家族がわかってくれているという安心感は、ほかに変えられません。慣れない環境で頑張るお互いをねぎらい合うことを心がけましょう。