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転勤が子供に与える影響って?メリット・デメリットを確認
2020.12.28
転勤は、本人はもちろん、家族にとっても多大な負担となります。単身赴任という選択肢もありますが、家族一緒に暮らしたいという人も多く、一家で引っ越しをするケースも少なくありません。その場合、子どもは転園や転校を余儀なくされます。ここでは、親の転勤が子どもに与える影響について、メリットとデメリット双方の観点からご紹介したいと思います。
メリット
転校が子どもに与える良い影響の中でまず挙げられるのは、順応性が高くなるということでしょう。転校をするたびに新しい環境に慣れる必要に迫られるので、社交性やコミュニケーション能力も自然と身に付きます。「新しい環境に慣れるのが得意である」「新しいお友達を作るのが得意である」という自信を持てるようになることで、自立するのも早くなる傾向があります。
逆に、子どもが学校でいじめを受けている場合は、転校をすることでその嫌なコミュティから抜け出せるというメリットがあります。いじめる側の子どもが100%悪いことは大前提ですが、いじめられることが原因で不登校になってしまう子どもも少なくありません。転校は、それまでの人間関係をリセットすることができる良い機会となります。
さらに転勤先が海外の場合、外国語が身に着くというメリットがあります。大人になってから外国語を学ぶのはハードルが高いですが、成長途中である子どものうちに海外で生活をすることで、さほど苦労することなく自然と外国語を習得することができます。また、色々な国籍や人種の人と接することで、幅広い価値観を身に着けることもできるでしょう。
デメリット
上述したように、転校は子どもにとってメリットがたくさんありますが、一方で「転校生」というだけでいじめの標的になることもあります。狭いコミュニティの中で育ってきた子どもにとって、知らないところからある日突然やって来た転校生はまさに異質の存在です。特に田舎から都会への転校の場合、方言など言葉やしゃべり方が違うことで笑われたりします。逆に都会から田舎への転校では、地元の人間なら誰でも知っているローカルネタや常識などが分からず、疎外感を感じることもあるでしょう。あからさまないじめを受けることがなくても、あまりにも違いすぎる環境に戸惑い、孤独を感じる子どもは少なくありません。
転校で仲良しのお友達と別れなければならないのも、子どもにとってつらいことです。現代はSNSなどで繋がりを保てるケースもありますが、まだSNSをできる年齢ではない低学年の子どもでは、昔と同じように引っ越したらそこで友情もぷっつり途絶えてしまう可能性が高いでしょう。
さらに、それぞれの学校によって授業の進み具合も違います。前の学校のほうが進んでいれば問題ありませんが、遅れていた場合は習っていない単元を自力で勉強しなければならず、授業に付いていくのが大変になります。また、林間学校や修学旅行の時期も学校によって違います。ですからそれらの校外学習に2回行くことになったり、1回も行けないということもあるかもしれません。
学校だけでなく、習い事が続かないというデメリットもあります。ピアノやバレエ、水泳などの習い事は人気がありますよね。もちろん、周りとは違う少し変わった習い事をしているという子どももいるでしょう。全国に教室があるようなメジャーな習い事の場合はスムーズに通い続けられるかもしれませんが、個人で運営しているようなマイナーな習い事の場合、続けるのが困難になるかもしれません。
まとめ
働いている本人だけではなく、家族の人生も大きく左右することになる転勤。特に学校に通う年齢の子どもがいる家庭の場合は、転校を余儀なくされます。転校には、順応性が高くなる、社交性やコミュニケーション能力が身につく、自立するのが早いなどのメリットがあります。さらに海外転勤の場合は外国語や幅広い価値観を身に着けることができるなど、子どもにとって役に立つ経験をさせてあげることもできます。
しかし、転校はメリットばかりではありません。お友達と離れ離れにならなければならないのは子どもにとってつらいことですし、いじめに遭う可能性が高いことも否定できません。授業の進み具合や修学旅行のタイミングなども、学校によって違います。さらに、場合によっては習い事も続けるのが困難になるでしょう。
このように、転校には一長一短あります。転勤の辞令が下されたら、まずは子どもの意見を聞いてみてください。新しい環境への変化を楽しみに感じる子どももいれば、同じ学校に通い続けたいという子どももいるでしょう。大切なのは、子どもが親に気を使って我慢するのではなく、ちゃんと自分の意見を言えるようにしてあげることです。子どもの年齢にもよりますが、引っ越しや転校を決定事項として伝えるのではなく、子どもも交えた家族全員で、今後の生活の仕方についてじっくり話し合うようにしましょう。