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売却or貸出し!?急なお引越し事情徹底解説
2019.12.30ライフスタイルが多様になってきた現代であっても、やはり「マイホームを持つことが夢」と思っている方も多いのではないでしょうか。基本的には一生に一度の買い物となるでしょうから、こだわりや思い入れも強くなるはずです。
しかし、予期していなかった急な転勤などで、泣く泣く引越しせざるを得ないという場合もあるでしょう。中には転勤を断りにくいという理由から、マイホーム購入直後の社員を狙って転勤の辞令を出すという会社もあるようです。もしも自分がそのような状況に直面したとき、マイホームはどうなるのでしょうか。
家族と離れて単身赴任?
まず、当事者以外の家族(多くの場合は妻や子ども)は家に残し、単身赴任するというパターンが考えられます。妻が専業主婦だったり、子どもがいない、または子どもがまだ未就学児という場合は妻子も夫の引越し先についていくケースが多いですが、共働きで妻も仕事を辞められない場合や、子どもがすでに学校に通っていてその環境を変えたくない場合などには、夫が単身赴任することもあります。
単身赴任というパターンでは、マイホームをどうするのかという心配をする必要はありません。しかし、子どもの成長期に離れて暮らしていたために、単身赴任から戻って来ても子どもとの関係をうまく築けなかったり、妻との関係がギクシャクして離婚になってしまう夫婦も少なくありません。
単身赴任にはそのようなデメリットもあるため、家族揃って引越すという決断をする人もいるでしょう。その場合、マイホームは売却するか、貸し出しをするか、もしくは空き家として放置することになります。
ローンが残っていても売却や貸し出しはできるのか
マイホームを買う(建てる)場合、ほとんどの方は住宅ローンを組むことになるでしょう。急な引越しが決まった時もまだ住宅ローンが残っているという場合も少なくありません。残債を払いながら次の住まいの家賃のことなども考えると心配になるかもしれませんが、ローンが残った状態で自宅を売却したり貸し出したりすることは認められるのでしょうか。
そもそも住宅ローンを借りる条件として、「自己居住用」の物件を購入する場合に限られると決められているため、投資用物件などを購入する目的で借りることはできません。しかし転勤や親の介護など、やむを得ない事情があることがきちんと認められれば、残債がある状態でも売却や貸し出しをすることが可能です。
売却か、貸し出しか
まずは売却する場合について考えてみましょう。売却で得たお金で住宅ローンの残債を支払うことができますが、価格によっては完済できず、ローンが一部残ってしまう場合もあります。それ以前に、「一生に一度」の買い物のつもりでせっかく手に入れた夢のマイホームを手放したくないという思いを持つ人も多いでしょう。
額が多すぎて売却してもローンの残債を返済できない場合や、将来的にまた戻って来て自分たちで住みたいという場合には、賃貸物件として貸し出すという選択肢もあります。自宅を賃貸物件にする場合、家賃収入をローンの返済に充てることになりますが、空室リスクなども考えられますし、突然の修繕費などを支払う必要もあります。そのようなリスクを避けるために、不動産会社とサブリース契約を結ぶという方法もあります。
サブリース契約は、不動産会社が部屋を借り上げ、それを入居者に貸し出すという方法です。家賃の一部が不動産会社に入るため家賃収入は減りますが、空室の場合でもオーナーには毎月同額の収入が保証されますし、オーナーとしての管理などの負担も減るのでおすすめです。
空き家として放置するメリットはある?
最後に、売却も貸し出しもしない、つまり空き家として放置する場合について考えてみましょう。空き家として放置したほうが良いパターンとしては、1年程度で戻ってくることが分かっている場合です。1年程度で戻ってくることが分かっている場合、せっかく購入したマイホームを売ってしまう人はいないと思いますが、空き家として放置するのか、貸し出すべきなのかを迷う人もいるでしょう。
まず、1年以内という短期間で借りたいという人が見つかる可能性も低いですし、貸し出す前にルームクリーニングなどの費用がかかることもあるため、1年程度で戻ってくることが分かっている場合は空き家のままにしておいたほうが賢明です。
では、3年程度で戻ってくる場合はどうでしょうか。この場合は家の劣化を防ぐためにも、貸し出すのがおすすめです。ただし、3年程度で戻ってきたときに自分たちがその家に住みたいと考えているならば、「定期借家契約」として貸し出すようにしましょう。一般的な「普通借家契約」で貸し出してしまった場合、正当な理由がない限り入居者を解約させることはできませんので、注意が必要です。
それ以上戻って来ないことが分かっている場合や、戻って来る時期が不明の場合は、自分たちの希望や家の条件などに合わせて、貸し出しをするのか、売却をするのか、検討するようにしましょう。