• お役立ち情報

リロケーションとサブリースの決定的な違いとは!?

2021.03.30
Pocket

ここではリロケーションとサブリースの制度の違いについてご紹介します。それぞれのメリット・デメリットを考慮した上で、どちらを選ぶと良いのかも解説していきます。

リロケーションとは?メリット・デメリットは?

リロケーションとは転勤や海外出向などで家を不在にする期間のみ、自宅を賃貸物件として出すことです。平成12年の借地借家法の改正により、期間限定で家を賃貸に出して賃貸契約終了と同時に自宅に戻ることが可能になってから、リロケーション物件や専門業者が増えてきました。今の自宅を手放したくはないけど、不在の時があるからその機会に資産活用したい場合におすすめの方法です。

リロケーションにはそれぞれメリットとデメリットがあります。メリットは「家賃収入が発生する」・「不在時も住居管理が可能なこと」・「盗難や不法侵入のリスクが減らせる」ことが挙げられます。反対にデメリットは「入居者がいない場合は収入が入らない」・「事前に家具や車などの撤去が必要になる」・「家賃を相場より安くしないと、入居者が見つかりにくい」などがあります。このように家賃収入が得られること、自身が不在時に起こり得るリスクを減らすことができるのが大きなメリットと言えます。

では次にサブリースの仕組み、メリット・デメリットをご紹介します。

サブリースとは?メリット・デメリットは?

サブリースとは賃貸経営の1つの方法であり、不動産会社が物件の持ち主から賃貸物件を一括で借り上げて、入居者に貸し出す仕組みを指します。そして物件の持ち主は借り上げを行った不動産会社から、家賃収入を得るのです。

サブリース自体にもメリットとデメリットがあります。メリットは「空室リスクが回避できる」・「自身での管理業務が不要」・「確定申告がスムーズにできる」・「トラブル発生時に訴訟の対象にならない」というメリットがあります。
「空室リスクが回避できる」というのはサブリース契約が一括借り上げ式のため、入居者が入らない場合の収入が入らないといったリスクを受けずに済みます。そのため、家賃収入が安定して入りやすいのです。
「自身の管理業務が不要」は通常発生する賃貸管理業務を全て不動産会社に任せることができるためです。
「確定申告がスムーズにできる」は物件の持ち主は入居者ではなく、サブリース会社と賃貸借契約を結びます。収支管理業務の大半はサブリース会社が代行するため、毎月の家賃や諸費用の計上業務が簡易化できます。そのため、確定申告も複雑にならないのです。
「トラブル発生時に訴訟の対象にならない」は入居者にとっての大家はサブリース会社になるため、物件の持ち主は訴訟対象にないのです。
このように、物件の賃貸管理や入居対応をサブリース会社が代行することで、家賃収入が得られるだけでなく所有者の管理業務が軽減されるのが大きなメリットですね。

デメリットは「家賃全額が入らない可能性がある」・「入居者を選ぶことができない」・「中途解約の可能性が出てくる」が挙げられます。
「家賃全額が入らない可能性がある」のは、管理業務をサブリース会社に代行してもらうことで保証料や諸費用などが発生するため、その分が家賃収入から引かれます。そのため、想定していた金額より少なかったということも大いに有り得ます。
「入居者を選ぶことができない」のは、入居者の審査をサブリース会社が行うことで、自身があまり良いと思わない入居者が入ってしまう可能性があるのです。またサブリース会社側も入居審査は行いますが、基準は会社によって異なります。
「中途解約を視野に入れる可能性がある」のは、長期保証を売りにしているけど家賃収入の変動や契約継続が困難になるリスクがあるため、契約途中での解約も視野に入れないといけない可能性があるのです。

また、サブリースの手法には「賃料固定型」と「実績賃料連動型」の2種類があります。
「賃料固定型」は賃料を固定の金額に設定して貸し出す手法で、収入が安定しやすい・収支計画が立てやすい・経済状況悪化の影響を受けにくい、というメリットがあります。逆を返すと、収入は安定しやすいですが、経済情勢が好況の場合でもその影響を受けないため、高収入を得にくいというデメリットを持っています。
「実績賃料連動型」は固定の賃料ではなく、経済情勢などに応じて賃料を設定し貸し出すことで、「賃料固定型」よりも多くの家賃収入を得られるメリットがあります。ただしこちらも逆を返せば、逆に経済不況の場合は賃料収入が下がってしまうリスクがあります。
契約形態は物件や不動産会社によって異なりますので、どのようにするかは事前によく相談して決めましょう。

このようにサブリースはリロケーションとはまた違った制度で、メリット・デメリットも異なってきます。

サブリース契約の問題点とは?

サブリース契約にはさまざまな問題点もあります。ここで、サブリース契約でトラブルになりやすい問題点を確認しておきましょう。

サブリース契約で一番多い問題点が、家賃に関する認識です。「30年以上の長期保証」を売りにしているサブリース会社も存在しますが、その多くは2~5年ほどで家賃の改定が行われています。

サブリース開始時の家賃で、長期保証されることはありません。また、家賃以外の収入になる「敷金」「礼金」「更新料」は、基本的にサブリース会社の取り分となるので注意してください。

他にも、補修工事の費用が問題点になる可能性があります。どんな建物も経年劣化は避けられませんので、どこかのタイミングで必ず修理やリフォームが必要です。

しかし、その工事費用はどちらの負担になるのでしょうか?修繕費用積立金から出るのか、サブリース会社の負担となるのかを確認しておきましょう。

さらに、管理会社の変更ができるかどうかも確認が必要です。問題が多い管理会社であれば、誰しも変更を考えるでしょう。

しかし、サブリース契約では管理会社の変更ができない場合もあります。このように契約内容をよく確認しなかったことから、問題になるケースが多いので、契約をする前に気になる点はよく確認しておきましょう。

2つの違いは?どちらを選ぶと良いの?

ここまで、リロケーションとサブリースの仕組みとメリット・デメリットをご紹介しました。ではそれぞれどんな違いがあり、どのような考えや状況の時に選べば良いのでしょうか。一旦、リロケーションとサブリースの主な特徴を整理してみましょう。

リロケーションは「貸し出すのは所有している自宅」・「賃貸契約は一定期間のみ」・「物件の賃貸管理は会社が代行する」・「入居者が入れば、家賃収入が入る」・「家賃保証の用意は会社によって異なる」・「確定申告や所定の手続きは自身で行う」・「事前に家具や車の移動及びクリーニングが必要、手配も自身で行う」・「条件次第では住宅ローンの控除措置を受けられる」のが挙げられます。

サブリースは「貸し出すのは所有している物件」・「賃貸期間は長期」・「物件の賃貸管理や収支管理も会社が代行」・「家賃収入は入るが、収入額の変動が発生しやすい」・「確定申告が楽になる」・「家賃保証を用意していることが多い」のが挙げられます。

一番大きな違いは「賃貸期間」でしょう。他にも、違いとしては「収入額の変動有無」・「収支管理の有無」・「確定申告の簡易」が挙げられます。この違いを踏まえると、「不在にするのは1年くらいだから、その間だけ賃貸に出したい。」・「自宅は入居者が入りやすい条件がある程度揃っているから、入居者は比較的早く入りそう。」という場合には“リロケーション、”「長期で賃貸に出したいけど、やることが多くなりそう。」・「わりと条件が良い物件で、相場を高くしても入居者が入りそう。」といった場合は“サブリース”がおすすめでしょう。

それぞれ仕組みが異なり、どのような場面で活用できるかも異なってきます。そのため、賃貸経営を始める前に事前に自身の条件や状況を確認し整理しておきましょう。