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今さら聞けない不動産会社とリロケーション会社の違いとは?
2020.03.07
定期借家契約で家を貸すことをリロケーションと言います。大切なマイホームを他人に貸し出すのですから、一般的な不動産会社ではなく、やはりリロケーションに特化した会社に依頼したいものです。
では、普通の不動産会社とリロケーション会社には、どんな違いがあるのでしょうか。
そもそもリロケーションとは?
ようやく購入した夢のマイホーム。そんなタイミングで転勤辞令が下されたら、マイホームはどうすればよいのでしょうか。転勤先から戻って来ないことが分かっているのであれば売却するという方法もありますが、数年で戻ってこられる場合も多いでしょう。
リロケーションとは、上記のようなケースで一時的に自宅を不在にする際、その期間だけマイホームを賃貸物件として貸し出すことを言います。
従来の法律では借主を保護する傾向が強く、正当な理由なしに借主を退去させることができませんでした。そのため、転勤などの一定期間のみ自宅を貸し出すということがしづらかったのですが、法改正により、期間を限定した「定期借家契約」が可能となり、以降マイホームをリロケーションとして貸し出す人が増えてきました。
リロケーションのメリット
一定期間自宅を貸し出すことのメリットとして一番大きいのは、家賃収入を得られるということでしょう。ただの空き家にしておくよりもお得です。その家賃収入をマイホームのローン返済にあてたり、転勤先で住む家の家賃にあてたりする場合が多いようです。
また、どんな家でも空き家として放置すると劣化が早くなります。転勤が終わってやっとマイホームに住めるとわくわくして戻ってきたら、いつの間にか劣化していた・・・なんてことになったら悲しいですよね。家のお手入れのために定期的に戻り換気や通水をするよりも、誰かに住んでもらったほうが手軽です。
ただし、定期借家は入居者が見つかりづらいこともあり、周辺の相場よりも少し安く家賃を設定しなければならないかもしれませんので、そのことは念頭に置いておきましょう。
リロケーション会社とは?
リロケーション会社は、入居者募集から家賃の回収、クレーム対応、退去時の対応や退去後の修繕など、一連の業務をすべて代行してくれます。このような基本的な業務は普通の不動産会社とさほど変わりません。
リロケーション(定期借家契約)特有のトラブルとして、契約が満了したのに借主が退去してくれない、というものがあります。そのようなときに、損害金の支払いやオーナーの住居の確保など的確かつ迅速な対応をしてくれるのは、やはりリロケーションに特化した会社です。
また、依頼する会社にリロケーションの実績がどのくらいあるかというのも、必ず確認しておきたいポイントです。と言うのも、賃貸住宅の中で定期借家の占める割合はたった1.5%(※国土交通省「平成30年度住宅市場動向調査」より)と、まだあまり利用されていないのが実情だからです。
一般的な不動産会社でもリロケーション物件を扱ってくれる会社はたくさんありますが、万一のことを考えると、リロケーションに特化した会社に依頼するのが賢明と言えます。
リロケーションを利用できるのは転勤族だけ?
リロケーションを利用する理由としてこれまで転勤を一例に挙げてきましたが、ほかにもリロケーションの利用をおすすめできるケースがあります。それが、遠方の実家を相続したという方です。今は住まないけれど老後は田舎の実家に戻りたい場合や、予想外のタイミングでの相続で、今後のことを考えていなかったという方もいるでしょう。
上述したように、人が住んでいない家はあっという間に劣化してしまいます。空き家のまま放置しておくと資産価値も下がってしまいますので、すぐに売却するか自分が住むという意思がない場合は、リロケーションを利用して人に住んでもらうのがおすすめです。
定期借家は、期間が満了したら基本的に借主は退去しなければなりませんが、継続して借りたいという借主の希望があり、かつ継続して貸したいという貸主の希望が合致すれば、ある程度長期間貸し出すことも可能です。貸主がその家に住みたい・売りたいと思ったタイミングで退去してもらえばよいので、リロケーションは相続した実家の処分に困っている方でも気軽に利用できる便利なシステムなのです。
まとめ
転勤でマイホームを不在にする方や、空き家の実家を相続した方におすすめのリロケーション。貸主にとってメリットの大きいシステムですが、まだ認知度が低いのが現状です。
そのため一般的な不動産会社ではリロケーションに慣れていない場合が多く、万一のトラブルの際に的確な対応をしてもらえない可能性もあります。まだそこまで浸透していないサービスだからこそ、実績が豊富なリロケーション会社に依頼することを心がけるようにしましょう。