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空家をリロケーションする際の家賃の決め方のポイントとは?
2020.03.31
転勤など、一定期間のみマイホームを貸し出したいというニーズに応えてくれるのが、リロケーションというシステムです。日本ではまだそこまで馴染み深い言葉ではありませんが、貸主の都合のいい期間だけ自宅を貸し出せることや、そこで得られた家賃収入をマイホームのローン返済や転勤先の家賃の支払いに充てられるということで、転勤族の方にとって非常にメリットのあるものとなっています。
では、一般の賃貸物件とリロケーション物件では、何が違うのでしょうか。また、自宅をリロケーションとして貸し出す場合、家賃はどのようにして決めるのでしょうか。
リロケーション物件の家賃の決め方と相場
通常家を貸し借りする場合に結ぶ「普通借家契約」では、入居者の権利が強く保護されています。そのため、正当な理由がない限り貸主は入居者を追い出すことができません。ちなみに、「転勤から戻って来て、自分が住みたいから」というのは、正当な理由としては認められないので注意が必要です。そこで、転勤などの一定期間のみマイホームを貸し出したいという場合には、契約期間の満了とともに入居者に必ず退去してもらえる「定期借家契約」を結ぶ必要があります。
ここでひとつ考えなければならないのは、定期借家は入居者にとってデメリットが大きいということです。契約の更新ができないため、数年後に必ず退去しなければならないと決まっている物件よりも、何年でも更新可能な普通借家のほうが選ばれやすいのは当然でしょう。
ですから、マイホームをリロケーションとして貸し出す場合、家賃は周辺の家賃相場よりも安い値段に設定するのが一般的です。そうすることで入居者が見つかる可能性が高くなるからです。この「周辺の家賃相場より安い値段で、グレードの高い家に住める」というのが、入居者にとって定期借家を借りるメリットになるのです。
具体的には、周辺の家賃相場と比べ、2年契約で20~30%、3年契約で15~25%、4年契約で10~20%ほど安く設定することが多くなっています。
空家として放置しておくことのリスク
上述したように、リロケーションは一般的なマンション経営と比べると、家賃を低めに設定しなければならないなどの制約もあるため、転勤から戻ってくるまで空家のままにしておいたほうがいいのではないかと思う方もいるでしょう。しかし空家として放置することにはいくつかのリスクがあります。
まず、家は人が住んでいないだけで劣化のスピードが早くなります。劣化を防ぐには換気や通水を月に1回以上、定期的に行う必要がありますが、遠い転勤先からわざわざ換気のためだけに毎月戻ってくるのは手間がかかりますよね。
次に、空家だと周囲に知られている家は、不審者が勝手に住み着くなど犯罪に利用される恐れがあります。手入れされず荒れた庭木は家を覆い隠しますし、そのような家は放火魔のターゲットになる可能性も高くなります。
やっと手に入れたマイホーム。転勤から戻って来ていざ住もうとしたら、劣化が進んでボロ屋敷になっていた・・・なんてことになったらきっと後悔しますよね。近隣に親戚など頼れる人がいる場合は、一時的に住んでもらったり、定期的な換気や庭木の手入れだけお願いしたりするということもできますが、そういう人がいない場合は、賃貸住宅として誰かに住んでもらうのが賢明と言えます。
リロケーションを利用するなら、どんな不動産会社を選ぶべき?
自宅をリロケーションとして貸し出すときには、入居者募集や賃貸管理など一連の業務を代行してくれる不動産会社と契約を結ぶことになります。一般的な不動産会社でもリロケーション物件の取り扱いは可能ですが、大切なマイホームを見ず知らずの人に貸し出すのですから、リロケーションに特化した会社に委託するのがおすすめです。
リロケーションでありがちなトラブルとしては、契約を満了したにも関わらず入居者が退去してくれない、というもの。リロケーションに慣れている会社であれば、このようなトラブルが発生したときでも、入居者に退去の催促をしたり、貸主に損害金を支払ったりするなどの対応も迅速です。会社によっては、転勤から早めに戻って来て住む場所のない貸主の仮住まいを紹介してくれるなどの嬉しいサービスを提供してくれるところもありますが、それもリロケーションに特化した会社ならではと言えるでしょう。
また、リロケーションに特化した会社はいくつもありますが、その中でも実績が豊富な会社を選ぶのがおすすめです。管理手数料が安いなどの理由だけで安易に選んでしまうと、対応がずさんだったり、様々なトラブルに巻き込まれたりする可能性もありますので、複数の会社を比較し、安心して任せられるかどうかをしっかり見極めるようにしましょう。
まとめ
転勤などの理由で自宅を不在にする際、一時的に自宅を貸し出せるリロケーション。周辺の家賃相場よりも安い値段でないとなかなか借り手が見つからないなどのデメリットもありますが、空家として放置することのリスクに比べると、非常におすすめなシステムとなっています。
リロケーションを手掛ける会社はいくつもありますが、実績などをよく見て、本当に信頼できる会社に依頼するようにしましょう。