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空家を知人に貸したときに発生しがちなトラブルとは?

2020.04.14
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家を新築したからこれまで住んでいた家を貸したい、遠方への転勤が決まったから数年間だけ自宅を貸したいという場合、一般的には不動産会社に仲介を依頼して、特に関わりのない他人に貸し出すことがほとんどですが、家を空けることを知った知人が直接貸してほしいと頼んでくることもあるかもしれません。

見ず知らずの他人に貸すよりも知人に貸すほうが安心と思う方もいるかもしれませんが、知人だからこそ発生しがちなトラブルというのもあります。ここでは、知人に自宅を貸した場合に起こりうるトラブルの例や、その対策について解説します。

想定されるトラブルは

まず考えられるトラブルとして、家賃の滞納があります。借りている側も、知人だからという気の緩みがあって、家賃の支払いをついつい後回しにしてしまう場合が少なくありません。滞納された側も、知人ということもあってそこまで強く催促できない人も多いでしょう。

次に、設備などの修理費用の負担に関するトラブルがあります。一般的に、賃貸住宅の設備の多くは、貸主負担で修理することが決められています。そのため、「安く貸す代わりに修理費用は出さない」などの条件で貸したつもりでも、正式な契約書がない限り、借主に修理費用を請求された場合、支払いを拒否できない可能性もあります。

また、退去してほしいタイミングで退去してもらえないトラブルも想定できます。たとえば、転勤で遠方にいる期間だけ貸し出したつもりで、転勤から戻ったから退去してほしいとお願いしても、借主が退去を渋るかもしれません。一般的に、借主は法律で強く保護されているため、立ち退き料や引っ越し費用などを負担することでなんとか退去してもらうなどの交渉が必要になるかもしれません。

このように、知人だからこそ何かトラブルが発生したときに強く言えなかったり、これまでの関係がこじれてしまったりすることもあります。

トラブルを回避するためには

知人に家を貸す場合に想定されるトラブルを回避するためには、不動産会社に仲介を依頼することが賢明です。手数料がかかるため、知人間の契約でわざわざ業者に仲介を頼みたくないと思う方も少なくありませんが、家賃の滞納や立ち退き問題などが発生した場合、第三者が仲介することでスムーズに解決することができます。

また、たとえ個人的に貸した場合であっても、家賃は不動産所得として確定申告をしなければなりません。その際に必要な年間収支報告書も、自分自身で作成するのは非常に面倒で手間がかかりますが、不動産会社が仲介していれば、年間収支報告書の発行を代行してもらえるというメリットもあります。

一定期間後に退去してほしい場合はリロケーションがおすすめ

借主から退去拒否されるトラブルが起こりうることは上述しましたが、たとえ不動産会社を仲介したとしても、一般的な賃貸借契約では、貸主の都合で借主を退去させることはできません。

そこでおすすめなのがリロケーションです。リロケーションとは、転勤などの一定期間のみ家を貸し出せるシステムです。一般的な家の貸し借りで結ぶ契約は「普通借家契約」と呼ばれ、正当な事由なしに退去を強制することはできず、基本的には更新しなければならないと定められています。一方リロケーションの際に結ぶ契約は「定期借家契約」と呼ばれ、契約期間の満了とともに借主は退去しなければなりません。

最近ではリロケーションに特化した不動産会社も増えてきました。もしリロケーションという形で家を貸したいと思ったら、たとえ貸す相手が知人であっても、リロケーションが得意な不動産会社に仲介を依頼すると良いでしょう。

まとめ

大切な我が家を貸す場合、見ず知らずの他人よりも知人のほうが安心と感じるかもしれません。しかし、家賃の滞納や設備の修理費用など、知人だからこそ起こりうるトラブルもあります。

特に、退去してほしいタイミングで退去してもらえないというトラブルは、貸主が立ち退き料や引っ越し費用を負担することで解決するというケースが多く、貸す側が不利になることも少なくありません。

そんなときに便利なのがリロケーションです。リロケーションは契約期間が決まっており、契約満了時に借主が退去する仕組みのため安心です。

知人間の契約だからこそ、何かトラブルが起きたときには第三者である不動産会社が仲介することでスムーズに解決することができますし、確定申告に必要な年間収支報告書の発行も代行してもらえて便利です。