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公務員がリロケーションで家賃収入を得ると副業になる?

2020.05.14
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転居を伴う転勤が少なくない、公務員。せっかくマイホームを手に入れたとしても、転勤となれば数年間は留守にせざるを得ません。ただ、自宅を数年間空家として放置することには、老朽化が早まったり、犯罪に巻き込まれたりするなど、さまざまなリスクがあります。

そこでおすすめなのが、自宅を留守にする間、賃貸住宅として人に貸し出すことです。人が住むことで家の劣化を防ぐことができますし、家賃収入も得られるので一石二鳥です。ここで気になるのが、副業を禁じられている公務員が家賃収入を得ることは違法ではないのかということです。

リロケーションとは

転勤などの理由で一時的に自宅を留守にするときに、一定期間のみ自宅を賃貸住宅として人に貸し出すことをリロケーションと言います。リロケーションは、普通の賃貸とはどう違うのでしょうか。

一般的に家を貸し出す際に結ばれるのは「普通借家契約」という契約です。普通借家契約の場合、正当な理由がない限り更新しなければならないと決められており、貸主の都合では借主を退去させることができません。ちなみに、「転勤から戻ったからまた住みたい」というのは「正当な理由」とは認められませんので、注意が必要です。

では、転勤の期間だけ一時的に自宅を貸し出し、戻ってきたタイミングでまた自宅に住みたいという場合はどうすればよいのでしょうか。そのようなニーズに応えるのが、「定期借家契約」という契約方法です。定期借家契約は文字通り契約期間があらかじめ決められており、満了すると基本的に借主は退去しなければなりません。

公務員のリロケーションは違法になる?

公務員が副業を禁じられている根拠となる法令はいくつかありますが、ここではその一部を紹介したいと思います。

【国家公務員法第103条・104条】
「職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。」「職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。」

【地方公務員法第38条】
「職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。」

許可なく副業をした場合は、「訓告・戒告・減給・停職・免職」のいずれかの処分を受ける可能性もあります。ただし、農業や不動産賃貸などは認められる場合があります。では、どのような条件であれば、それらは認められるのでしょうか。

以下は「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」からの抜粋です。

「一 農業、牧畜、酪農、果樹栽培、養鶏等 大規模に経営され客観的に営利を主目的とすると判断される場合
二 不動産又は駐車場の賃貸 次のいずれかに該当する場合
(1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合
イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。
ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。
ハ 土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること。
ニ 賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものであること。
ホ 賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものであること。
(2)駐車場の賃貸が次のいずれかに該当する場合
イ 建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場であること。
ロ 駐車台数が10台以上であること。
(3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行つている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合
(4)(1)又は(2)に掲げる不動産等の賃貸と同様の事情にあると認められる場合
三 太陽光電気(太陽光発電設備を用いて太陽光を変換して得られる電気をいう。以下同じ。)の販売 販売に係る太陽光発電設備の定格出力が10キロワット以上である場合」

これらに当てはまらない範囲であれば、農業や不動産賃貸などを行っても問題ないということになります。家賃収入の額が年間500万円未満かつ、戸建てなら4棟以下、マンションなら9室以下なので、自宅を貸し出す程度のリロケーションであれば違法にはならないことが分かりますね。

まとめ

転勤などで自宅を留守にする場合、リロケーションという方法であれば、自宅を一時的に人に貸し出すことができます。公務員であっても、一定の条件をクリアしていれば、家賃収入を得ること自体は違法にならないため安心です。

ただし、申請して許可を得ることは必須になります。過去に、許可を得ず不動産収入を得たことで公務員が処分された例もあるので、注意してください。