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リロケーションする際にリフォームが必要なケース・不必要なケース
2020.06.14
リロケーションとは?
リロケーションとは、転勤などの理由で一時的に自宅を留守にする場合に、その期間だけ自宅を貸し出すことを言います。従来の「普通借家契約」では借主を保護する観点が強く、「転勤から戻ったからまた住みたい」など貸主の都合で借主に退去してもらうことはできませんでした。
しかし、「転勤期間中に大切なマイホームを空家にしたくない」というニーズの広がりを受け、2000年に借地借家法が改正。「定期借家契約」が可能になりました。原則として契約が更新される普通借家契約とは異なり、定期借家契約では、契約満了にともない借主にスムーズに退去してもらうことができます。
家は、定期的に管理していないと老朽化が進みます。月に1~2回、定期的に帰ってきて換気や通水ができるならば良いかもしれませんが、転勤先が海外など遠方の場合はなかなか難しいですよね。リロケーションとして自宅を貸し出し、人に住んでもらうことは、家の老朽化を防ぐという意味でも効果的です。
人に貸す前にリフォームは必要?
一般的に賃貸住宅では、入居者を確保するため、定期的にリフォームが行われます。リロケーションであっても、内装がきれいだったり、設備が新しいほうが入居者が決まりやすいということに変わりありません。
特に、キッチン、トイレ、浴室などの水回りの設備は、入居希望者が一番重要視するところでもあります。壊れているのは論外ですが、汚れや臭いが目立つなど、気になるようであればリフォームすることをおすすめします。
ただ、リロケーションはあくまで一時的なもの。その数年のために高額な費用をかけてしまっては、家賃収入で得られる額を大幅に上回ってしまう可能性もあります。目立たない場所はそのままにしておく、軽い汚れはクリーニングで対処するなど、リフォームにかける費用をなるべく抑える工夫も必要でしょう。
リフォームをするかどうか迷ったときは、耐用年数を基準にして考えるという方法もあります。一般的に、キッチンは10~20年、トイレや洗面台は15年前後、ユニットバスや浴槽は建物と同等年数(木造は22年、RC造は47年)と言われます。ある程度築年数が経っており、耐用年数を超えている設備があれば、リロケーションの機会にリフォームすることをおすすめします。
実際にリフォームすることになった場合、クロスの張り替えやエアコンの交換などの簡単な工事では1日~1週間以内に作業は完了しますが、万が一大がかりな工事が必要になった場合、1か月かそれ以上かかってしまう可能性もあります。さらに、マンションの場合は事前に管理組合からの承諾をもらう必要もありますから、転勤までの日程を考え、早めに行動するようにしましょう。
退去後のリフォームとどちらが良い?
せっかくリフォームしても、入居者に汚されてしまったり、壊されてしったりするのではないか、と心配する方もいるかもしれません。しかし一般的な賃貸住宅と同じように、定期借家でも借主には原状回復の義務が発生します。
原状回復とは、退去時に部屋を入居時の状態に戻すこと。経年劣化や通常の使用によってできた傷や汚れの修繕は貸主負担、故意や過失による傷や汚れの修繕は借主負担と定められています。ちなみに、飲み物をこぼしたことによるシミやカビ/家具の移動や引っ越し作業による傷/落書きやペットによる傷などが「借主の故意や過失による傷や汚れ」に該当します。定期借家であっても敷金は預かることがほとんどですから、万が一故意や過失による傷や汚れがあったとしても、そこから修繕費用を賄うことができます。
貸主負担になるのか、借主負担になるのか、何かと線引きが難しい原状回復。「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が国土交通省により発行されていますので、心配な方は参考にしてみてください。
まとめ
転勤など、一時的に自宅を貸し出したいというニーズに応えるリロケーション。家賃収入が得られるだけではなく、空家の管理という面からも効果的な方法です。
短い期間の賃貸であっても、きれいだったり、設備が新しいほうが当然入居者は見つかりやすくなります。具体的にリフォームが必要なケースとしては、耐用年数を超えていたり、壊れていたり、汚れや臭いが目立つ場合です。逆に、目立たない場所にある傷やクリーニングで対処できる汚れは必ずしもリフォームが必要ではないので、どの部分や設備をリフォームするのか・しないのかを検討し、なるべく費用を抑える工夫をすると良いでしょう。工事内容によっては作業完了までに時間がかかる場合があるので、転勤までの日程を考え、余裕を持って行動するようにしてください。
また、せっかくリフォームしても、入居中に汚されてしまったら意味がないと感じるかもしれませんが、一般的な賃貸住宅同様、借主には原状回復の義務が発生しますので、借主の故意や過失による傷や汚れの修繕は、あらかじめ預かっている敷金で賄うことができます。