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空き家を駐車場として有効活用するには?メリットやデメリットも解説
2022.01.20
国内では空き家は増加傾向にあります。中には空き家を資産として持て余している人も多いのではないでしょうか。しかし、アパートやマンションに建て替えるのはかなりのコストがかかります。空き家を駐車場にするというのは、費用がかからず手軽なので検討する人も多い方法です。まずは駐車場のメリットやデメリットを把握しましょう。
費用対効果が高い駐車場運営
駐車場運営は、なんといっても始める時の手軽さが魅力です。まずは駐車場運営のメリットを見ていきましょう。
初期費用が少ない
アパートやマンションに建て替える場合と比べて、建築費が安く抑えられるのは大きなポイントです。解体費はかかりますが、駐車場なら工事も砂利を敷いたりアスファルトで舗装したりといったもので済むので、非常にリーズナブルです。
手軽に始められて撤去も簡単
始めるのも簡単ですが、運営を止めて撤去するのも簡単です。賃貸マンションやアパートだと、止める時も賃借人と立ち退きについて揉めることもありますが、駐車場には「借地権」や「借家権」がないため、1~2か月前に告知をしておけばよいだけです。また、水道などのライフラインを引いていることもないので、土地を使わなくなっても設備管理をする必要もありません。
管理の手間と費用が少ない
基本的に大規模な修繕などがないので、管理の手間や費用もかかりません。駐車場の機材などの点検やトラブル対応、清掃といったものが主な管理内容になりますが、1週間に1回巡回すれば事足りるでしょう。管理会社に業務委託をしてしまえば自分で管理するも必要なくなります。管理会社に業務委託をする場合、自分でしなければならないのは年に一度の確定申告のみです。
駐車場運営のデメリットは?
低コストなのにくわえて手間もかからない駐車場運営は魅力的に思えます。しかし、果たして本当に収益が上がるのかという不安もあるのではないでしょうか。デメリットも把握しておきましょう。
更地と同じ扱いになり税金が増える
節税という面から見ると、節税にならないどころか、空き家を取り壊すことによって税金が増えます。土地に住宅が建っている場合は固定資産税・都市計画税が軽減されていますが、駐車場にすると軽減が適用されなくなるのです。土地と建物の税金合計額だけを見ると、駐車場にしたほうが上がる場合が多くなります。
利用単価が低いため効率が悪い
初期費用が少ないため仕方がないともいえますが、アパート・マンション経営の収入に比べると駐車場の利用単価は低いです。また、すべてを駐車区画にするわけにもいきません。車の通路や精算機などの場所を確保することを考えると、収益を生み出さない部分も多いことがわかります。「たくさん収益を上げたい」という場合には駐車場運営は非効率です。
立地が悪いと収益が上がらず赤字に
建物のように設備面などで差別化をできないので、駐車場運営の成功・失敗は立地がすべてといっても過言ではありません。近隣に商業施設や駐車スペースの少ないマンション、住宅街などがあれば利用を見込めますが、そもそも周囲に車が来るような場所がない、となると利益はほとんど見込めません。
収益のシミュレーションを事前に行う
ここまで見てきたように、駐車場運営にはメリットが多いですがデメリットもあります。始めるのは簡単ですが、失敗しないようにするためには、収益を得られるかどうかをきちんとシミュレーションしておく必要があります。
立地と需要を調査する
駐車場で収益を上げるには、車を停めてくれる利用者がいることが前提です。利用者が集まらない場所では、収益も上がらないですよね。住宅街や企業などが近くにあれば、定期的な利用を見込める「月極駐車場」が向いています。一方で商業施設や観光スポットなどが近くにあれば「コインパーキング」として一時的に利用する顧客が見込めます。
周辺の競合駐車場を調べる
駐車場はアパート・マンションのように競合との差別化がしにくいです。地図アプリなどを見ると、観光スポットや商業施設の周辺にたくさんのコインパーキングが集まっているのがわかると思います。このような場所では価格の引き下げが起こりやすいので、注意が必要です。
月極駐車場の料金設定について
所有している空き家の立地を考えて、月極駐車場が向いているという場合は、周辺の駐車場の月極料金をしっかりと調査しましょう。理想は周辺と比べてちょうど中間くらいの金額設定です。ただ、明らかに利用者が見込めるような企業・住宅街に隣接しているなど、距離的に有利な場合は少し高めに設定してみてもいいでしょう。
コインパーキングの料金設定について
コインパーキングは時間の単位や最大料金、深夜料金などで細かい料金設定ができます。ポイントは、利用者が自分の駐車場に車を停めている時間を考えることです。「飲食店や観光スポットの近くなら1時間単位の料金設定」「スーパーや商店の近くなら20~30分単位の料金設定にする」というように滞在時間を考慮して区切りを決めます。利用者が「無駄にお金がかかる」と思わない範囲の料金設定にしましょう。
適切な規模の駐車場運営で空き家を有効活用
せっかく運営するなら収益を上げたいと思うものですが、そればかり気にして規模を意識しないと、利用者にとって使いにくい駐車場になってしまいます。敷地の広さだけでなく、周辺環境も考慮して駐車場を作りましょう。
収容台数を決める
収容台数を多くしたいあまりに、車がすし詰め状態になってしまうような駐車場は使いにくいと言えます。車間が狭い、通路が狭い…など、場内事故の原因にもなり得るので注意しましょう。
レイアウトを考える
停めやすい・出やすい駐車場を意識することが大切です。たとえば、縦列駐車の区画などは配置によっては先に停めた車が出られないといった不都合が起きることがあります。ほかにも駐車場の出入り口が狭い、段差が多いなど、利用者が「使いにくい」と思う要因は排除しておくべきです。
まとめ
駐車場運営は初期費用も管理費も小規模から始められます。しかし、自分の所有する空き家が駐車場に向いている立地であるかどうかは、事前にしっかりと調査する必要があると認識していただけたのではないでしょうか。簡単に始められるうえに撤去も簡単ですが、空き家の解体費はもちろん税金が上がるなど、コストのかかる面もあります。事前の調査で「自分の判断に自信がない」「プロの意見を聞きたい」と感じた場合は専門業者への相談や、駐車場の管理会社と契約を検討してみるのもひとつの方法です。