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空き家の水道はどうする?空き家の水道管理について考察

2022.02.28
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「両親が高齢のため、長年住んでいた家を離れ、施設に入所した」「母親ひとりなので同居することになった」など、住まう人の高齢化によって空き家となる住居が増えています。「自分は賃貸住まいだから大丈夫」と思っていても、実家は持ち家という人は多いのではないでしょうか。住居は人が住まなくなる、つまり使われなくなると劣化が進みます。とくに著しく劣化するのが水道で、住む人がいなくてもきちんと管理をする必要があります。今回は空き家の水道管理を中心に、ライフラインについても見ていきます。

空き家に水道は必要なのか?

「どうせ使わないし、劣化するのなら水道だけ撤去できないか」と考えることもできますが、空き家を解体するのでなければおすすめしません。撤去のための工事費用もかかるうえに、水道を再び使うときにも工事費用が発生し非効率です。さらに、空き家とはいえ、のちのち売却や移住を考えているのなら、清掃を行う際にも水が必要となります。すぐに解体する予定がないのなら、水道は管理しながら保存しておくのがよいでしょう。

空き家の通水方法

水道は水を通さない期間が長期に及ぶほど、水道管の腐食やサビ付きが進みます。水道管の傷みがひどくなると破損してしまう場合もあります。一度破損してしまうと、水道管の交換や修理が必要となり、高額な支出となってしまいます。

契約の確認

まずは水道の使用契約を確認します。契約解除の状態になっていたら、手続きをして水道を使える状態にしましょう。

月に1回は定期的に水を流す

蛇口をひねって水を水道管に流すことを「通水(つうすい)」といいますが、これは最低でも一か月に一回は行いましょう。やり方としては、家中のすべての蛇口を、それぞれ1分以上出しっぱなしにするというものです。通水を行うことで、水道管内のゴミや汚れ、サビを流します。また、下水管の「排水トラップ」を水で満たして、悪臭や虫の発生を防止することもできます。

遠方に住んでいて難しい場合は業者に依頼を

月に1回の通水とはいえ、近くに住んでいれば問題はありませんが、遠方に住んでいる場合に毎月通うのは大変です。そのような場合は、管理業者と契約しておき、空き家の管理をしてもらうのがおすすめ。管理費はかかりますが、空き家の管理を怠ったせいで、高額な工事費が必要になったり、ご近所トラブルに発展する例もあります。必要経費と割り切りましょう。

空き家に必要なライフライン

水道については契約を継続して使える状態にしておくのがよいことはわかりましたが、ガスや電気といった、ほかのライフラインについてはどうでしょうか。こちらについても一緒に確認しておきましょう。

ガス

ガスはどのような場合であっても、基本的に止めておきます。空き家で火を使うことはほとんどありません。むしろ、火災の原因となりかねないので、安全管理という面でもガス会社に閉栓の手続きを依頼しておきましょう。

電気

電気に関しては、自分で空き家管理をする場合は解約しておいても構いません。ただし、電気が使えないということは電器照明が使えないということ。夕方や夜、または家の中で暗い場所がある場合の作業は困難になります。当たり前ですが、空き家管理で家屋に入るときには明かりの確保ができるようにしておきましょう。また、管理業者に依頼する場合は電気契約を継続するようにいわれる場合があります。これは各社のサービス内容にもよりますが、たとえばセキュリティーシステムを導入する場合です。空き家に対して部外者の侵入を防ぐセキュリティーシステムの運用には電気が必要不可欠。そうでなくとも、業者によっては通常の管理巡回で電気を必要とするケースもあります。管理会社と契約をする際に確認しておきましょう。

空き家の特措法などを熟知し適切な空き家管理を

実は、日本には空き家管理について行政が関与する法律があります。これは「空き家対策に関する特別措置法」というもので、「特措法」とも呼ばれます。というのも、ここ約20年で空き家は1.5倍にも増えており、きちんと管理されていない空き家が火災・衛生・景観に悪影響を及ぼしているからです。つまり、放置された空き家が近隣住民の迷惑になっているという事例が多いため、国が施策をするということ。これで「特定空き家」などに指定されてしまうと、行政から管理に関する指導が入ります。それでも状況が改善されない場合は勧告・命令を受けたり、強制執行が行われたりします。固定資産税の大幅増税が行われる可能性もあるので、遠方に住んでいるとしても、空き家管理はきちんと行わなければなりません。

まとめ

日本国内の空き家は増え続けています。自分自身が持ち家でなくても、親や兄弟が管理できなくなったとき、空き家管理をしなくてはいけない状況になるかもしれません。最後に紹介したように、日本には特措法もあります。空き家の管理を怠ることは、自分だけの問題ではなく、大きなリスクとなり得るのです。近くに住んでいて負担にならないなら自分で管理していくこともできますが、多忙な人や遠方に住んでいる人にとっては月1回であっても負担に感じることもあるでしょう。その場合は管理業者を検討し、適切な管理を行っていくことが必要です。